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別表4と5(1)のつながりをわかりやすく簡単に!法人税申告書の作り方を解説 – 別表 4 別表 5 このトピックの詳細
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「法人税申告書の別表4と別表5(1)のつながりや仕組み・作り方がわからない」そんな方向けの解説動画です。図解を使って、別表4と5(1)のつながりをわかりやすく簡単に解説しました。
目次
00:13もくじの解説
00:26別表4とは?
02:39別表5(1)とは?
04:27別表4と別表5(1)のつながり
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別表四と別表五の書き方【決算書との連動の視点から】
加算欄の記入の前に「1」の当期利益ですが、税金計算が終了しなければ法人税の金額はわかりません。ここでは中間納税を法人税等に計上した前提で進めて …
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Date Published: 7/5/2021
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別表4と別表5(1)
申告調整で所得加算・所得減算をすると「法人税法上の社内留保金額」は、それに伴って増減するのでしょうか。次の例を見てください。 〔 別表4 〕. 区 分. 総 額. 留 保.
Source: www.kyousinkai.jp
Date Published: 10/11/2021
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別表4とは?から書き方まで税理士が0から解説
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Date Published: 9/16/2022
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クイックに理解する「別表5-1の検算」
法人税の申告書作成を難しくしている原因の一つは、明らかに申告書別表4と5-1にあると考えています。その別表5-1に関して、別コラムで取り扱い …
Source: bespoke-pro.jp
Date Published: 3/7/2022
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法人税申告書別表四と別表五(一)のⅠは検算できると聞き …
今回の経理・会計・税務BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)お役立ち情報vol.1770は、法人税申告書別表四と別表五(一)のⅠの検算について …
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Date Published: 12/26/2022
View: 2431
「別表四と五」 完全攻略本 | 高下 淳子 |本 | 通販 | Amazon
別表四と五の関係がわかれば申告書の作成方法は理解できます。税務上の所得を正しく計算し、正しい純資産を翌期へ引き継ぐ会社経理・税務の基本を別表を通して理解する …
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法人税申告書【別表4、別表5】 | 税理士コラム
「法人税申告書別表4」と「税引後利益」、「税引前利益」 「法人税申告書の別表4」を作成する際には、計算のスタートが「当期利益又は当期損失」と …
Source: units1.jp
Date Published: 9/1/2022
View: 4060
Q&A(法人税・地方税) – 魔法陣
[11871] <目次ページ> 法人税 別表4/別表5-1関連はこちら. A. ※このページは機能・帳票ごとにリンク先を再整理したページになります。 別表4→別表5-1転記関連.Source: www.mahoujin.co.jp
Date Published: 7/18/2022
View: 2828
法人税申告書 別表4 サンプルイメージ – 税理士いらず
… 別表四の記述内容は確認するだけです。別表四を確認すると、別表五(一)との整合性が検算されます。 … 別表四(簡易様式) 所得の金額の計算に関する明細書 …
Source: www.z-irazu.jp
Date Published: 12/26/2022
View: 8126
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別表四と別表五の書き方【決算書との連動の視点から】
別表四と別表五の書き方【決算書との連動の視点から】
法人税の別表は数が非常に多く、慣れていない方にとってはどこに何を記入すればいいのかわからない場合があるかと思います。しかし、複雑な事業を行っていない限り記載項目は限られており、別表間の関係や決算書との連動を理解すれば作成することは可能です。
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別表四の概要
別表四は会計上の当期純利益から始まり、加算及び減算の申告調整を行い課税所得金額を計算すると同時に留保金額を算定します。申告書の構造を見てみますと、
縦計:当期利益+加算-減算=所得金額 横計:総額-社外流出=留保
と読み取ることができます。
|加算欄への記載
加算欄の記入の前に「1」の当期利益ですが、税金計算が終了しなければ法人税の金額はわかりません。ここでは中間納税を法人税等に計上した前提で進めてまいります。とりあえず中間分のみが反映された当期純利益を使用し、まずは課税所得金額の算定を行います(ソフトやエクセルに入力し、申告書にはまだ記入しません)。
加算欄に通常発生する項目を取り上げてまいります。
「2」及び「3」の損金経理をした法人税・住民税ですが、中間納付額につき法人税等として費用計上しているときは、その金額を留保に記載します。
「4」の損金経理をした納税充当金ですが、法人税等の金額を留保に記載します。こちらは税金計算が終了した後でなければ記入はできません。中間納付額を費用計上していないときは年間金額を記載します。
あと「6」減価償却の償却超過額の他に留保に記入する項目としまして、引当金関係(貸倒引当金の繰入超過額、賞与引当金繰入額、退職給付費用など)や計上時期のズレによるもの(売上高等)などがあります。
社外流出に記載する項目としましては、「5」損金経理をした延滞税等、「7」役員給与の損金不算入額、「8」交際費等の損金不算入額などがあります。
|減算欄への記載
つづいて減算欄に通常発生する項目を取り上げてまいります。
「13」の納税充当金から支出した事業税等の金額は、前期の確定事業税の金額を留保に記載します。事業税は納付時に損金算入されるため、未払事業税の期首残高と一致します。
「14」の受取配当等の益金不算入額は社外流出に記載します。
「12」減価償却超過額の当期認容額や前期以前に留保として加算処理され、当期に支出等により損金算入可能となったもの(上記の引当金や計上時期のズレによるもの)を留保に記入します。
|仮計以下の欄への記載
代表的な項目を取り上げますと、「27」寄附金の損金不算入額、「29」法人税額から控除される所得税額、「30」税額控除の対象となる外国法人税の額があります。「29」「30」は損金算入することもできますが、税額控除の方が通常有利となります。
また繰越欠損金がある場合で、当期に課税所得が生じるときは「40」欠損金の当期控除額に使用可能金額を記入します。
これらの金額は全て社外流出に記載します。
「47」所得金額の総額は留保から社外流出を加減算した金額と一致します。金額を確認した後、総額の金額を別表一へ転記して法人税額の計算を行います。計算が完了しましたら漸く「1」当期利益に記入することができます。
別表五の概要
別表五(一)ですが、Ⅰ利益積立金額の計算に関する明細書とⅡ資本金等の額の計算に関する明細書で構成されております。Ⅰですが、貸借対照表の利益剰余金から別表四の留保項目の調整を行っており(社外流出は調整不要)、その構造を見てみますと
縦計:各事業年度の留保所得金額-未納法人税等=差引合計 横計:期首利益積立金額+当期増加-当期減少=期末利益積立金額
となっております。
|利益積立金額の記載
Ⅰ利益積立金額の計算に関する明細書ですが、区分に記載する項目ごとに記載の仕方を解説します。
「1」利益準備金及び「2」積立金(別途積立金など)ですが、会計上の金額と一致することが前提です。
期首現在利益積立金額① には前期の申告書における差引翌期首現在利益積立金額を転記します。 当期の増減の 増③ には剰余金の処分により積み立てられた利益準備金や別途積立金の金額を各々記入します。 減② は取崩しを行った場合に記入します。 最後に 差引翌期首現在利益積立金額④ は足し算引き算で求められます。
「3」以降には別表四において留保欄に記入した科目を記載します。具体的には償却超過額のあった減価償却資産や、賞与引当金や退職給付引当金、計上時期のズレにより申告調整を行った売上(売掛金)や売上原価(棚卸資産)などです。
【注意点】
増③には 当期に発生した留保金額 を記入しますが、加算欄の留保はプラスで、減算欄の留保はマイナス(△表示)で記入します。
減②には 前期から繰り越された留保金額のうち当期に認容された金額 を記入します。こちらも加算・留保はプラス、減算・留保はマイナス(△表示)記入となります。
※期首と期末の金額は上述のとおりです。
「26」繰越損益金は、①及び②に繰越利益剰余金前期末残高を、③及び④には繰越利益剰余金当期末残高を記入します。
「27」納税充当金は、確定申告により納付すべき金額で法人税の他に地方法人税、住民税、事業税が含まれます。①及び②に前期繰入額を、③及び④には当期繰入額を記入します。
「28」未納法人税及び未納地方法人税、「29」未納道府県民税、「30」未納市町村民税につきましては、各々、①に前期確定分、②に当期納付額(前期確定分と当期中間分の合計)、③に当期中間及び確定分、④に当期確定分の記入を行います。
これらの計算の結果、「31」 差引合計額 が算定されます。そして、増③の「1」から「27」までの合計から減②の「31」の金額を差し引いた金額が別表四の「47」留保②と一致していることをチェックします。
※金額が不一致のときはいずれかに記入漏れか記入誤りの可能性があります。
|資本金等の額の記載
続いてⅡ資本金等の額の計算に関する明細書ですが、その構造を見てみますと、
縦計:資本金等の額と会計上の資本金及び資本剰余金の差異調整 横計:期首資本金等の額+当期増加-当期減少=期末資本金等の額
となっております。
「32」資本金又は出資金及び「33」資本準備金ですが、会計上の金額と一致することが前提です。
期首現在資本金等の額① には前期の申告書における差引翌期首現在資本金等の額を転記します。 当期の増減の 増③ には増資等により増加した資本金や資本準備金の金額を各々記入します。 減② は期首に存在する金額の消却等を行った場合(資本の払い戻しによる減資など)に記入します。 最後に 差引翌期首現在資本金等の額④ は足し算引き算で求められます。
自己株式の取得等を行った場合には、該当する科目を「34」以降に記載します。
「36」差引合計額の④が期末資本金等の額となり、当該金額は寄附金の損金不算入額などの算定にも使用されます。
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決算書との連動
上記を踏まえまして、別表四及び別表五(一)と決算書との連動にスポットを当てて、記入の仕方を見ていきたいと思います。なお、外形標準課税を適用していない法人を前提としております。
以下、便宜上貸借対照表をBS、損益計算書をPL、株主資本等変動計算書をSSと表記します。
別表四ですが、「1」当期利益には課税所得を算定したのち計算した法人税等※の金額を控除した金額を記入しますが、PL(及びSS)の当期純利益と一致します。配当を行った場合には配当金額を「1」③欄に記入しますが、金額は前期の決算及び当期の中間決算に係る処分金額となり、SSの剰余金の配当と一致します。
※法人税+地方法人税+住民税+事業税
加算欄ですが、「2」「3」「4」の損金経理をした法人税・住民税と損金経理をした納税充当金の合計額は、PLの法人税等の年間金額と一致します。また納税充当金はBSの未払法人税等と一致します。
「7」減価償却の償却超過額や「9」交際費の損金不算入額がある場合は、それぞれ別表十六、別表十五で算定した金額を転記します。
賞与引当金繰入額や退職給付費用など、確定債務ではない会計上の経費は、PL販売費及び一般管理費の金額と一致します。
製造原価がある場合は販管費との合計額となります。
減算欄は、当期に認容された上記の賞与引当金などの期首残高を転記します。それ以外に関しては会計上の金額と一致することはありませんので、ここでは割愛させていただきます。
別表五(一)ですが、Ⅰ利益積立金額の計算に関する明細書から見てまいります。
「1」利益準備金、「2」積立金(別途積立金など)は期首・期末ともにBS(SSも同様)の残高と一致し、増③にはSSにおける当期変動額合計の金額をそれぞれ転記します。
「3」以下は当期に別表四で発生した留保金額を増③に、前期以前に発生し当期に認容された留保金額を減②に記入します。賞与引当金繰入額の場合、上記のPL販管費の金額を増③及び翌期首④に記入し、前期の金額(期首①)が認容されていれば同額を減②に記入します。これはBSの賞与引当金の残高とも一致します。
「26」繰越損益金はBS(SSも同様)繰越利益剰余金、「27」納税充当金はBS未払法人税等の期首及び期末残高を転記します(期首残高は①②へ、期末残高は③④へ転記)。
「28~30」未納法人税及び地方法人税、未納道府県民税、未納市町村民税ですが、表記の通り事業税がないため、BS未払法人税等とは一致しません。補助コードを設けて区分管理している場合は、それぞれ照合することが可能となります。
積立金方式により経理処理した圧縮記帳や特別償却準備金がある場合で、限度額や要取崩額に従い経理処理しているときは、積立及び取崩による金額がSSの変動金額と一致しますので、残高も含め必ず照合します。
Ⅱ資本金等の額の計算に関する明細書ですが、「32」資本金「33」資本準備金ともにBS(SSも同様)の期首及び期末残高を転記します(期首残高は①②へ、期末残高は③④へ転記)。もし増資又は減資を行っている場合は、増③にSS当期変動額合計の金額を転記します。
欠損填補を行っている場合は「利益積立金額」科目を設けて別掲し、明細書における資本金や資本準備金は減少させてBS残高と一致させます。
まとめ(Conclusion)
グループ会社を有しておらず、様々な税額控除の適用がなければ、法人税の申告書は使用する別表は限られますので、見た目ほど苦労せずに作成することが可能です。できる限り期中から税務申告を意識した会計処理を行うことで、別表における申告調整の事務負担を減らすことが期待できます。
今回ご紹介できなかった別表五(二)や他の別表の記載につきましては、別の機会に解説したいと思います。
※2020年4月13日に別表五(二)の記事をアップしました。
If the company have no subsidiary and no application of special tax credit, making tax return form for corporation tax would be easier than expected because required appended tables would be limited. We encourage you to make journal entries which could be suited to corporation tax calculation in order to reduce the burden of the workload at the tax return period. We would like to explain appended table 5 (2) and others at the next opportunity. ※ The article about how to fill out appended table 5 (2) has been carried in April 2020.
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別表4と別表5(1)
別表4とは?から書き方まで税理士が0から解説|誰でもわかるパズル式
法人税の別表4「所得の金額の計算に関する明細書」を手に取ってみると、加算や減算、留保や社外流出などよくわからない言葉が並び、大量の法人税用語が上から下まで敷き詰められています。
やはり、自力申告は無理か。税理士に依頼しよう。
そんな気になりますよね。
でも大丈夫です。
この記事では中小企業にとって要点を絞って的確に解説します。
中小企業はこの別表4のすべてを埋める必要はありません。
中小企業が書く箇所はだいたい決まっていますので安心してください。
そして別表4の作成は、パズルをはめ込む要領で特に頭を使わず必要な書類からの転記作業で完成します。
別表4を本当に理解しようとすると本当は難しいのですが、この記事のとおりにパズルをはめていけば意外に簡単にできますので安心してください。
別表4について税理士で元国税調査官の私が例え初めてでもわかりやすく解説していきます。
では始めていきましょう。
法人税の確定申告書の中で最も大事な別表は何か?と聞かれたら迷わずこう答えます。
「それは、間違いなく別表4だ!」と。
それはなぜか?
答えはシンプル。「税金の計算に直結する」からです。
その理由を説明します。
法人税額は次の算式で求めます。
所得金額 × 税率 = 法人税額
そして別表4の正式名称は、こういいます。
「所得の金額の計算に関する明細書」
そう、別表4は所得金額を計算して決定します。
所得金額に税率をかけて法人税額を算出すると言いました。
つまり、こういう関係が成り立ちます。
所得金額 大 税額 大
所得金額 小 税額 小
もっと言うと別表4を書き間違えるとたいていの場合税金の計算を間違うことになります。
これだけで別表4がいかに重要か理解いただけると思います。
ここで法人税の申告書作成を初めて行う人はこう思うかもしれません。
名前 所得金額って何?
会社の利益に税率を掛けて税金を計算するじゃダメなの?
そうですよね。一番最初のところのなぜ別表4なんてものがあるかから解説を始めていきましょう。
この記事は次のような順番で解説して、別表4の役割、重要性をよく理解した上で、最終的には実際に別表4が書けるようになっていて確かめまでできるというところがゴールになっています。
別表4がなぜあるか? 所得金額をどう計算するか 実際に別表4をどう書くか 正しく書かれているか検算する
この記事では中小企業※1の法人税申告書の書き方に絞って解説していきます。
※1 この記事で中小企業という場合は、資本金(出資金)1億円以下の普通法人(資本金または出資金の額が5億円以上の法人等の100%子法人に該当する法人を除く)を指します。以下同じ
法人税法は大会社のための規定で複雑になっています。
中小企業に絞るととたんにシンプルになります。
法人税法が難しいとされる理由はここにあります。
私は中小企業の申告書を、税務署時代何百と見てきましたが、どの会社もだいだい同じでシンプルな申告がほとんどです。
その程度の申告書を税理士でなければ書けないということはまったくありません。
このような理由から日本の大多数を占める中小企業に的をしぼって別表4を解説していきます。
それでは別表4がなぜ必要かという点から始めていきましょう。
1 別表4とは
別表4は、法人税の確定申告の中で法人税額を決定する最大要因である所得金額を算出するという重大な役割を担っているということを説明しました。
そもそも決算書で最終利益を算出しているのになぜ、その利益に税率をかけて税額を計算するのではなく、所得金額に税率をかけて法人税額を計算する必要があるのでしょうか?
ここからスタートしましょう。
1-1 なぜ別表4が必要なのか
なぜ別表4を用いて所得金額を算出する必要があるのか?
それは、当期利益を算出する決算書と所得金額を算出する確定申告書では、その作成目的がそもそも違うというところに起因しています。
決算書は企業会計原則をベースに作成されるものであり、確定申告書は法人税法を根拠に作成されるものです。
このようにそもそも両者は根拠としているものが違います。
両者の特徴を簡単な表にしてみます。
企業会計 法人税法 作成する書類 決算書 確定申告書 主な目的 正しい経営成績と財産状態を開示すること 課税の公平や適正な税負担の実現
このように両者は、その目的も違います。
決算書は、投資家や利益関係者などに向けて正しい経営成績と財産状態を開示する目的で作成されます。
一方、法人税の確定申告書は、課税の公平や適正な税負担を実現する目的で作成されます。
目的が違えば違う書類が作成されることは容易に想像できると思います。
これがために、法人税法で計算される法人税額は、決算書の当期利益をそのまま使うわけにはいかないのです。
そこで所得金額という課税ベースが登場するのです。
企業会計と法人税法の関係は、次のようになっています。
企業会計と法人税法の関係 法人税法は、確定した決算で算出された利益又は損失を基礎に所得金額を算出する
つまり
企業会計に基づき決算書作成
法人税法が決算書に手を加えて所得金額を算出
このように決算書が出来上がった後に法人税法がそれに手を加えて所得金額を計算し、それに税率をかけて法人税額を計算するというしくみになっているのです。
ここで別表4の登場です。
損益計算書で計算された利益(又は損失)を基礎に所得金額を算出するための法人税の申告書類が別表4(「所得の金額の計算に関する明細書」)なのです。
損益計算書で計算された利益(又は損失)から所得金額を算出するために別表4が必要というわけです。
1-2 どのように別表4で所得金額を算出するのか
別表4の立ち位置がわかったところで、続いて実際に別表4でどのように所得金額を算出するのかを具体的に見ていきましょう。
イメージ図を用意しました。
実際の別表4の様式にコメントを加えましたのでご覧ください。
別表4の先頭に損益計算書の税引後当期純利益を記入するところからスタートします。
別表4は、大まかに言うと、❶税引後当期純利益から始まって、❷「加算」欄に記載された金額の合計を❶に加算し、❸「減算」欄に記載された金額の合計を❶から差し引いて所得金額を計算します。
式で表現すると次のようになります。
❶税引後当期純利益 + ❷別表4の加算項目 ー ❸別表4の減算項目 = 所得金額
❷「加算」欄(加算項目)には次のような性質のものが記載されます。
加算項目 費用として認めない
(損金不算入) 収益として認める
(益金算入)
税引後当期純利益は最終的な会計上の利益ですが、それを計算する上で決算では費用とされているものも、法人税法ではそれを費用としては認めないということが起こります。
それは前述の両者の目的が違うためです。
法人税法は、適正に公平に課税したいという目的があるため、それを費用にしたら適正公平な課税ができないという場合には、会計上は費用となっていてもそれを費用としません。
具体例で考えてみましょう。
会計期間終了直近に利益を計算したら1,000,000でした。
でも税金を払いたくない。
そこで役員に賞与を1,000,000支給することに決めました。
そうすれば利益が0になり、税金も0です。
役員賞与を支給した場合と支給しなかった場合の法人税額を比較しながら計算してみます。
役員賞与なし 役員賞与あり ①仮当期利益 1,000,000 1,000,000 ②役員賞与 0 1,000,000 ③所得金額(① – ②) 1,000,000 0 ④法人税額
(③ × 税率30%) 300,000 0
役員賞与がある方は税額が0になります。
法人税法はこれを適正公平に課税ができないと判断します。
法人税法には事前に税務署に届出ていないで支給した賞与は費用として認めないという規定があるので、この1,000,000の役員賞与は法人税法上は費用として認められません。
法人税方では、この1,000,000は別表4で次のように当期利益に加算して調整を図ります。
企業会計 ①企業会計の当期純利益① 0 ②役員賞与の費用と認められない(損金不算入)額② 1,000,000 ③所得金額(① + ②) 1,000,000 ④法人税額(③ × 税率30%) 300,000
加算項目には、このように費用として認めないというパターンと、決算書では収益と計上されていなかったけど収益とするというパターンもあります。
例えば、次の決算期に売上計上されているけど、法人税法的には今期の売上にすべきといったケースがこれです。
❸「減算」欄(減算項目)には次のような性質のものが記載されます。
減算項目 費用として認める
(損金算入) 収益として認めない
(益金不算入)
減算項目は加算で説明したことと反対です。
会計上は費用となっていなかったものを費用と認めるものと収益となっているものを収益として認めないという調整をここで行います。
例えば法人が配当を受け取ったら、会計上は収益となっていますが、法人税法上は収益と認めません。
配当は決算が終わった後の株主総会等で決定され、支払われます。
決算が終わっていると言うことは税額の計算も終わっていますので、法人税の納付が終わった後の最終利益から配当が支払われていると言えます。
それを受け取った法人の利益になってしまうとその利益にまた課税されるという二重課税の問題が出てくるため、法人が受け取った配当は当期利益から減算するという調整を行って適正公平の課税を担保するというしくみになっています。
この記事は別表4についてものですので、ここでは、損金や損金不算入という用語の解説はしませんが、詳しく知りたいと言う場合は次の記事で詳しく解説しています。
このように法人税法では、企業会計の決算で算出された当期利益をベースに法人税法の都合でその当期利益に加算や減算をして所得金額を算出するしくみになっています。
このような調整を別表4ですべて行うようになっているのです。
別表4の重要性と別表4で所得金額を算出するしくみを理解できたところで、法人税の確定申告をする上でどのように別表4を作成するのかという別表4の書き方をこれから解説していきます。
2 別表4の書き方
ここから別表4をどのように書いていくかを解説していきます。
これから別表4を書き上げるまで手取り足取りで解説していきますが、この時点でとても急いでいて、別表4の書き方を知らなくてもできあがっていればそれでいいという場合は、最速0秒で別表4を作成する方法をこの章の最後に紹介していますので、そちらに飛んでください。
2-4 最速0秒!別表4をかんたん高速に作成する方法へジャンプ
まず最初に別表4の記載例を見てしまいたいと思います。
別表4全体のイメージをまずは掴んでしまいましょう。
2-1 別表4の記載例
別表4には、様式が2種類あり、正規の別表4と簡易様式があります。
中小企業の場合は迷わず簡易様式を使用します。
この記載例も簡易様式を使用したものです。
全体のイメージを把握したところで、実際の別表4の書き方を詳しく見ていくことにしましょう。
2-2 別表4を書き上げるSTEP
具体的な書き方に入る前に別表4を書き上げるまでのSTEPを予め確認し、別表4を書き上げるまでの全体像を知っておきましょう。
別表4を書き上げるまでの4STEP STEP1 事前に必要な書類を用意する
STEP2 STEP1で用意した書類の必要な値を別表4に転記する
STEP3 別表1、第6号様式、第20号様式を作成する
STEP4 別表4を仕上げる
法人税の確定申告書を書き上げる上で一番難しいのが実は、この別表4です。
このように一筋縄では作成できず、4STEP踏む必要があります。
STEP2で仮の別表4を完成させないと、法人税額を決定する別表1、そして地方税を決定する第6号様式と第20号様式を完成させられず、これらが完成し、税額が決定しないと別表4を完成させられないのです。
そんなことでこのように行ったり来たりする必要があります。
これだけ聞くとなんだか難しいと思うかもしれませんが、この記事を順に読んでいけば全く問題なく、難なくクリアできるので、ご安心ください。
別表4を書き上げるための全体像を理解できたところで、本題の別表4の書き方に入っていきましょう。
2-3 別表4の書き方
具体的な別表4の書き方の解説を始めていきます。
別表4を実際に書き始める前に、別表4の作成に必須の書類がありますので、それを用意する必要があります。
【STEP1】事前に必要な書類を用意する
事前に用意しておく必要のある書類は次の2種類です。
別表4作成前に必要な書類 損益計算書
別表5以降で自社で作成が必要な別表
一つ一つ確認していきましょう。
損益計算書を用意する
別表4は税引後当期純利益に法人税特有の加算項目を加算し、減算項目を減算して所得金額を求めるということは既に述べました。
ということはつまり、最初に税引後当期純利益の情報が必要です。
その情報はどこにあるのか?
損益計算書に載っています。
別表4作成の重要ポイント1 最初に用意する損益計算書は、当期に納めるべき法人税、住民税及び事業税を除いたすべての会計処理が終わった状態のもの。
中間税額の処理や消費税の納付金額に関する仕訳もすべて済んでいるもの。
この状態の損益計算書がまだできていない場合は、まずは損益計算書を完成させることが先決です。
続いて事前に必要な書類2つ目です。
別表5以降で自社に必要な別表を用意する
別表4の加算項目や減算項目の多くは他の別表で計算してそれを参照することがほとんどであるため、別表5以降の別表は別表4作成前に完成させておく必要があります。
ただし、別表4もそうなのだが、別表5(1)と別表5(2)は別表1と地方税の確定申告書が書き上がらないとわからない部分があるので、その部分を除いて完成している状態にしておくこと。
また別表14(2)は別表4の途中まで計算が終わっていないと完成しないので、別表14(2)「寄附金の損金算入に関する明細書」は後回しにします。
別表5(1)以降の別表がまだ完成していないという場合は、先にそれらの書類を完成させてください。(別表5(1)、別表5(2)は途中のもの、別表14(2)は後回し)
この話を聞いて全然わからないという場合や別表4以前に法人税の申告書作成の手順が知りたいという方は、次の記事の「1-2 法人税確定申告書の作成手順を確認する」で詳しく解説しているのでそちらをご覧ください。
【STEP2】事前に用意した書類から転記する
事前に用意すべき書類が用意できたら、必要な値を別表4に転記していきます。
ここからが本番といってもいいのですが、パズルをはめこんでいくように解説していきますので、この手順通りに進めていただければ気づいたら完成しています。
別の書類から必要なバズルをとってきて、別表4にはめ込んでいく要領で進めていきます。
当期利益又は当期欠損の額を転記する(パズル)
❶ 「当期利益又は当期欠損の額」の総額①欄に転記する
まずは、損益計算書を用意して、損益計算書の税引後当期利益(又は損失)の値を別表4に下の図のように転記します。
上の図のように別表4の1ー①に記載します。
「1ー①」という表現は、「行1の①の列 = [当期利益又は当期欠損の額]行の[総額]列」を意味しています。以下このように表現していきます。
❷「配当」欄③に記入する
続いて当期中にその支払の効力が生じる配当があった場合1ー③にその金額を下の図のように記載します。
当期中にその支払の効力が生じる配当の金額は株主資本等変動計算書の「剰余金の配当」と一致します。
❸「留保②」欄に記入する
1ー②欄に[ 1ー① – 1ー③ ]という計算式で求めた値を記入します。
この例の場合は10,000,000 – 1,000,000 = 9,000,000
別表5(2)から転記する(パズル)
続いて別表5(2)を用意してください。
❶ 損金経理をした法人税等への転記
別表5(2)の当期分の中間の行の値を転記するのですが、その前提として次のことを遵守してください。
別表4作成の重要ポイント2 中間税額を支払った時の仕訳は、費用計上が原則。
仮払い処理は、処理が面倒になるのでやめよう。仮払い処理にメリットなし。 費用計上の仕訳例 借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額 法人税、住民税及び事業税 725,800 現金預金 725,800
この前提に基づいて別表5(2)を処理すると次の図のように各税目の中間分は⑤列に記載します。
この値を下の図のように別表4に記載します。
転記元(別表5(2)) 転記先(別表4) 法人税及び地方法人税の3ー⑤ 損金経理をした法人税及び地方法人税 2 道具県民税の9ー⑤+市町村民税の13の⑤ 損金経理をした道府県民税及び市町村民税 3
❷ 損金経理をした付帯税等への転記
別表5(2)の「その他」の「損金不算入のもの」の24〜27行の⑤列に記載された金額を別表4の「損金経理をした附帯税、加算金、延滞金及び過怠税 5」の①と③に転記します。
❸ 納税充当金から支出した事業税等の金額へ転記する
別表5(2)の「事業税及び特別法人事業税」の19行の③列に値がある場合は、その金額を別表4の13ー①と②に転記します。
減価償却超過額がある場合に別表16(1)、別表16(2)、別表16(8)から転記する(パズル)
❶「減価償却の償却超過額 6」欄への転記
減価償却費の償却超過額がある場合は、その金額を合計して別表4の「減価償却の償却超過額 6」の①②に転記します。
具体的には次の図のように別表16(1)、別表16(2)、別表16(8)から償却超過額を合計して転記します。
❷「減価償却超過額の当期認容額 12」欄への転記
減価償却超過額の当期認容額がある場合は、その金額を合計して別表4の「減価償却の償却超過額 12」の①②に転記します。
具体的には次の図のように別表16(1)、別表16(2)、別表16(8)から当期損金認容額を合計して転記します。
役員給与等の内訳書から転記する(パズル)
「役員給与等の内訳書」を用意します。
「役員給与等の内訳書」の上段「役員給与等の内訳」の「計」行の「その他」列に値がある場合は、別表4の「役員給与の損金不算入額 8」の①と③にその金額を次のように転記します。
別表15から転記する(パズル)
別表15の「損金不算入額 5」に値がある場合は、その金額を別表4の「交際費等の損金不算入額 8」の①と③に次のように転記します。
別表8(1)から転記する(パズル)
別表8(1)を作成し、受取配当等の益金不算入額を算出している場合は、別表8(1)の13又は26の値を別表4の「受取配当等の益金不算入額 14」の①と③に次のように転記します。
還付金額の受け入れ処理
還付金額を処理するにあたって、知っておくべき前提があります。
別表4作成の重要ポイント3 税金の還付金がある場合は、 還付金を受け取る決算期で 雑収入に計上すること
❶ 中間納付した金額が還付になった場合、または誤って納付し戻ってきた場合
中間税額が還付になった時は、「別表4作成の重要ポイント3」で述べたように次のように処理する方法が一番シンプルで簡単なのでこのように処理しましょう。
⑴ 確定申告書を作成して還付申告となったその決算期(X1期)では何もしない。
⑵ 還付申告書を提出した(還付金が税務署から入金になった)決算期(X2期)に次のような仕訳を登録します。
取引年月日 借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額 還付の申告書を提出した日 未収入金 100,000 雑収入 100,000
還付金を収益に計上した日の属する決算期では、法人税、地方法人税、道府県民税と市町村民税の還付金額の合計額を別表4の「法人税等の中間納付額及び過誤納に係る還付金額 18」の①②に記入します。
【注意点】
18ー①②に記入する金額には事業税と特別法人事業税の還付金は含まないことに注意!
なお、別表5(1)では次のように処理されています。
❷所得税額控除で還付になった場合または欠損金の繰戻しで還付になった場合
所得税額控除で還付になった場合または欠損金の繰戻しで還付になった場合は、「別表4作成の重要ポイント3」で述べたように次のように処理する方法が一番シンプルで簡単ですのでこのように処理しましょう。
⑴ 確定申告書を作成して還付申告となったその決算期(X1期)では何もしない。
⑵ 還付申告書を提出した(還付金が税務署から入金になった)決算期(X2期)に次のような仕訳を登録します。
取引年月日 借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額 還付の申告書を提出した日 未収入金 500,000 雑収入 500,000
還付金を収益に計上した日の属する決算期では、(2)のように還付金を処理した金額を別表4の「所得税額等及び欠損金の繰戻しによる還付金額等 19」の①③に記入します。
予め別表4に記載されてる項目以外の加算減算を記入する
加算項目と減算項目に予め印字されている中小企業で使用するものについては、すべて説明しました。
これ以外にも別表4で加算したり減算する必要のあるものがあります。
そういう場合は、加算項目と減算項目の空いている行に追記していきます。
例えば、税務調査で売上計上漏れ1,500,000円と売上に対応する仕入500,000が計上漏れとなっていることがわかり、修正申告する場合次のように記載します。
仮計を算出する
別表4の加算項目と減算項目をすべて埋めたら、次は「仮計 22」行の①〜③を計算します。
次の計算を①〜③の列に対してそれぞれ行います。
⑴加算項目の2から11の直前の行までの縦の列の合計を行い「小計 11」行に記載する。
⑵減算項目の12から21の直前の行までの縦の列の合計を行い「小計 21」行に記載する。
⑶「当期利益又は当期の欠損の額 1」+ 「小計 11」 ー 「小計21」 = 「仮計 22」
中小企業では、23と24の行は通常はいらないので、22の①②③の値をそのまま25の①②③に記入します。
【注意点】
社外流出③列だけは、2段書きになるケースがあります。
③列の※印の金額は仮計では外書で集計することになっています。
今回の例では14ー③で※100,000となっています。
※印がついた金額は※の数字同士で合算し、外※欄に記載します。
※印がついている行はすべて減算にありますので、今回の例では△100,000とします。
※以外の数字を加減算して22−③の本書きとして記載します。
留保と社外流出とは 別表4には①「総額」②「留保」③「社外流出」と縦に3つの列があります。 ①「総額」で所得金額を計算します。中小企業ではこれが最も重要な列です。 ②「留保」は、文字どおり社内に留保された金額を記載し、最終的に当期に発生した利益積立金額が算出されます。
この利益積立金額は、特定同族会社の留保金課税をする際に必要になる数字ですが、留保金課税は中小企業には無関係です。
裏を返すと②は、中小企業にはあんまり関係ない列と言っても過言ではありません。 ③「社外流出③」は、留保以外所得の金額が社内にとどまることなく減少することを意味します。
交際費等の損金不算入額が良い例です。交際費等の損金不算入額は所得金額は増えますが、法人内にお金は残りません。 中小企業の場合は、別表4の①から③については、これほどの理解で十分です。
別表4は①列が最も大切だということを理解してください。
別表14(2)から転記する(パズル)
税務上の寄附金の支出があり、別表14(2)を作成している場合は、別表14(2)の24または40の値を別表4の27ー①と③に転記します。
なお、別表14(2)の7は、別表4の25の値が入りますので、別表4のこの値を算出するまで別表14(2)を作成することはできません。
別表6(1)から転記する(パズル)
所得税額控除を適用するために別表6(1)を作成している場合は、別表6(1)の6ー③の値を別表4の29ー①と③に転記します。
併せて別表5(2)の「損金不算入のもの」の行に「源泉所得税等」と記載し、②と⑤に別表6(1)の6ー③の値を記載します。
この部分を効率的に処理する上でまた重要な原則があります。
別表4作成の重要ポイント4 源泉所得税を天引きされた時は、その税金は費用計上すること
源泉所得税の天引きされたときの仕訳は次のように費用計上します。
これが最もシンプルで簡単な処理方法であるためこのように処理されていることを前提に解説しています。
借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額 法人税、住民税及び事業税 60,000 受取配当金 60,000
なお、源泉所得税の中で所得税額控除の対象とならなかった金額については、別表5(2)の損金算入のものの行に追加します。
合計、差引計を計算する
❶「合計 34」行の値を仮計を計算した要領で、①〜③列について、[ 25 + 27 + 29 + 30 + 31 ]と縦の合計した結果をそれぞれ記載します。
❷「差引計 39」行の①〜③列について、[ 34 + 35 + 37 + 38 ]と縦の合計した結果をそれぞれ記載します。
別表7(1)から転記する(パズル)
別表7(1)の「計」行の4列(当期控除額の合計)に値がある場合は、別表4の40ー①と③に転記します。
総計、所得金額を計算する
❶「総計 41」行の①〜③列について、[ 39 + 40 ]の計算をした結果をそれぞれの列に記載します。
❷「所得金額又は欠損金額 48」行の①〜③列について、[ 41 + 42 + 47 ]の計算をした結果をそれぞれの列に記載します。
一旦ここで別表4の作成は終わります。
別表4の48ー①が算出されたことにより別表1の作成が可能になりますので、次に法人税額と地方法人税額を求めていきます。
【STEP3】法人税と地方税の当期の確定税額を求める
別表4を完成させるためには、法人税と地方税の確定申告書で納付すべき税額を算出する必要があります。
まず別表1から作成し、法人税と地方法人税の金額を確定させます。
この記事は別表4に関するものであるため、別表1については、記載例を示すだけにとどめます。
当期納付すべき法人税と地方法人税を求める
今回の例で別表1を作成すると次のようになります。
別表1記載例
この例では当期に納付すべき法人税額が1,990,700、地方法人税額が210,000の合計あることがわかりました。
別表1が完成すると今度は地方税の確定申告書を完成させることができます。
当期納付すべき道府県民税と事業税を求める
別表1が完成すると法人の道府県民税と事業税の確定申告書である第6号様式を作成することができます。
第6号様式を作成して当期納付すべき道府県民税と事業税の額を確定させます。
ここでも第6号様式の記載例を示すにとどめます。
今回の例で第6号様式を作成すると次のようになります。
第6号様式記載例
この例では、道府県民税が25,300、事業税が820,700、特別法人事業税が303,600であることがわかりました。
続いて市町村民税を確定させます。
当期納付すべき市町村民税を求める
別表1が完成すると法人の市町村民税の確定申告書である第20号様式を作成することができます。
第20号様式を作成して当期納付すべき市町村民税の金額を確定させます。
ここでも第20号様式の記載例を示すにとどめます。
今回の例で第20号様式を作成すると次のようになります。
今回の例では、市町村民税が147,300であることがわかりました。
別表1、6号様式、20号様式を作成したことにより、把握できた税額をまとめてみましょう。
税目 当期納付すべき金額 法人税と地方法人税 2,200,700 道府県民税 25,300 事業税と特別法人事業税 1,124,300 市町村民税 147,300 合計 3,497,600
未払法人税等の仕訳を登録する
当期の確定申告で納付すべき金額がわかりましたので、次のような仕訳を決算期末の日付で最後に登録します。
借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額 摘要 法人税、住民税及び事業税 2,200,700 未払法人税等 2,200,700 法人税と地方法人税 法人税、住民税及び事業税 1,149,600 未払法人税等 1,149,600 道府県民税と事業税 法人税、住民税及び事業税 147,300 未払法人税等 147,300 市町村民税
この仕訳を登録することにより損益計算書が完成します。
【STEP4】別表4を仕上げる
「当期利益又は当期欠損の額」を修正する
⑴ 未払法人税等の仕訳を追加したことにより、決算書の税引後当期純利益の金額が変わりましたので、別表4の「当期利益又は当期欠損の額 1」の①を次の図のように変更します。
⑵ 次に配当が1,000,000ありますので、1ー②の値を[ 6,502,400 – 1,000,000 ]という算式で求めた金額5,502,400に修正します。
「損金経理をした納税充当金」を記載する
法人税、住民税及び事業税 3,497,600 / 未払法人税等 3,497,600 という仕訳を最後に追加し、決算に反映させました。
この金額を別表4の4ー①と②に記入します。
損金経理とは、「確定した決算に費用として計上してある」という意味です。
また、納税充当金とは、「未払法人税等」を意味します。
つまり、「損金経理した納税充当金」とは、決算書に費用として計上された未払法人税等ということを意味します。
次の仕訳を登録したので、その金額は「損金経理した納税充当金」行に入ることになります。
法人税、住民税及び事業税 3,497,600 / 未払法人税等 3,497,600
これで別表4に記載すべき事項をすべて記載しました。
最後に記載例を見て、全体を確認しましょう。
完成形の別表4の記載例
ここまでで別表4の書き方についての解説は終了です。
国税庁から別表4の記載方法の解説が公表されていますので、紹介しておきます。
「令和3年版 法人税申告書・地方法人税申告書の記載の手引 別表4 国税庁」
ここまで別表4を書いてきて転記作業が非常に多かったと思います。
別表4の書き方の解説の最後に、別表4の各項目はどこから転記してくるのかを早見表でもう一度整理しておきましょう。
2-3 別表4への転記早見表
別表4を作成するのは基本的には一年に一回の作業になるので、どこから転記してくるかを忘れてしまうことも多いと思います。
忘れてしまった場合は、この早見表で確認しましょう。
転記先(別表4)の区分 区分 転記元 当期利益又は当期欠損の額 1ー① 損益計算書の税引後当期利益 当期利益又は当期欠損の額の配当 1ー③ 株主資本等変動計算書の剰余金の配当 損金経理をした法人税及び地方法人税 2ー①② 別表5(2) 5ー⑤ 損金経理をした道府県民税及市町村民税 3ー①② 別表5(2) 10ー⑤ + 15ー⑤ 損金経理をした納税充当金 4ー①② 仕訳帳 当期に未払法人税等を費用計上した金額(別表5(2) 31) 損金経理をした附帯税、加算金、延滞金及び過怠税 5ー①③ 別表5(2) 24ー⑤〜27ー⑤の合計 減価償却の償却超過額 6ー①② 別表16(1) 37の合計 + 別表16(2) 41の合計 + 別表16(7) 7の合計 役員給与の損金不算入額 7ー①③ 役員給与等の内訳書 [計]ー[その他] 交際費等の損金不算入額 8ー①③ 別表15ー5 減価償却超過額の当期認容額 12ー①② 別表16(1) 39•40の合計 + 別表16(2)33•44の合計 + 別表16(7) 9の合計 納税充当金から支出した事業税等の金額 13ー①② 別表5(2) 19ー③ 受取配当等の益金不算入額 14ー①③ 別表8(1) 13又は26 法人税等の中間納付額及び過誤納に係る還付金額 18ー①② 別表5(1) 未収還付法人税・道府県民税・市町村民税の②列の合計 寄附金の損金不算入額 27ー①③ 別表14(2) 24又は40 法人税額から控除される所得税額 28ー①③ 別表6(1) 6ー③ 欠損金又は災害損失金等の当期控除額 40ー①③ 別表7(1) [計]ー4
ここまで別表4の書き方を初心者でも理解できるようあの手この手でわかりやすく解説してきました。
別表4を書くのが難しいということはなくても、色々な書類から転記しなければならなくて面倒だったり、転記ミスの心配があったり、1年に1度しかやらない作業なので、書き方を忘れてしまってまた1からやり直しなんてことも十分あり得るのではないでしょうか。
ここで別表4を簡単に効率的に作成する方法を紹介します。
2-4 最速0秒!別表4をかんたん高速に作成する方法
別表4の書き方で、どの書類から別表4のどこに転記するかを図解付きで丁寧に解説してきました。
このような別表4を作成する上で必要な知識が不要で、別表4に必要な調整を自動で行ってくれて、気づいたら別表4が完成しているという方法がありますので、それをここで紹介します。
それは、無料で使える法人税の知識不要のクラウド税務ソフト「全力法人税」を使う方法です。
例を出してその効率性を説明します。
例えば、別表4の「役員給与の損金不算入額」欄への転記は、全力法人税で画面の案内にしたがって入力していくと自動的に行われています。
交際費等の損金不算入額の例も見てみましょう。
所定の画面で、交際費に該当する科目と支出額を入力しただけで別表15の計算が終了し、かつ別表4の転記も終わっています。
このように全力法人税で画面の案内にしたがって入力していくと、別表4はほぼ何もせずに完成しています。
全力法人税を利用して別表4を作成した場合と手書きで作成した場合を比較してみたいと思います。
例えば次の別表4を作成するのに手書きでは何箇所書く必要があり、全力法人税では何箇所入力の必要があるか比較して意味ます。
手書きだと51箇所で、全力法人税では、なんと1箇所です。これだけでも約50倍効率的です。
別表4の作成を手書きでした場合と全力法人税でした場合の比較表
手書き 全力法人税 申告書の書き方の知識 いる いらない 直上の別表4の手書き又は入力箇所 50 1 作成時間※ 初心者で60分 最速0分
(何も入力する必要がないケース←中小企業はほぼこれ) 転記ミスの可能性 あり なし 申告書の見た目 字による 印字 → 整然としている 価格 無料 無料
ただしすべての申告書類を出力したい場合
年間10,000円+税(初年度19,620円+税) 電子申告 できない できる
※別表4を作成するのに必要な書類はすべて揃っていて、そこから別表4の作成を開始するケースを想定
全力法人税を使用すると、別表4だけでなく法人税、地方税の確定申告書、そして申告に必要な勘定科目内訳明細書、法人事業概況説明書も法人税の知識入らずでどんどん出来上がっていきます。
このように全力法人税は、法人税の知識がなくてもかんたんに法人税の申告書が作成できるをコンセプトとしたソフトです。
これまでアカウントの登録数は17,000を超えています。
元国税調査官・税理士が監修しており、お客様レビューでの高評価数550件越えで信用できます。
全力法人税レビューページ
全力法人税は、かなりの高機能にもかかわらず一部の申告書類の出力を除いてすべての機能を無料で利用できます。
これほど高機能で無料で利用できるものを他に知りません。(有料と無料によって出力できる書類についてはこちら)
全力法人税は、弥生会計、弥生オンライン、MFクラウド会計、会計王、freeeの会計データをインポートできるので、さらに入力箇所を少なくでき、法人税の申告書だけでなく、地方税の確定申告書、勘定科目内訳明細書、法人事業概況説明書、消費税の申告も簡単にしかも早く正確に作成することが可能です。
2年目以降は前年度のデータも繰り越せるので、さらに作成効率が上がり、作成時間も減ります。
全力法人税で別表4を印刷するために出力する場合には、料金が必要ですが、次のように画面上で無料で確認できますので、コストをかけずに法人税の申告書を作成したいという方でも、全力法人税の無料利用で申告書作成作業を相当効率化させることができます。
全力法人税を手書きと併用させることでコストをかけずに転記漏れ等なく正確性も担保できます。
利用自体は無料ですのでこのような申告書作成支援ソフトを一度試してみても損はないと思います。
全力法人税のページへ
別表4の書き方、効率的に作成する方法を解説してきました。
別表4と別表5での転記が時に多かったと思います。
正しく転記されているか、転記漏れの不安が生じるかもしれません。
そこで、別表4と別表5のつながりを整理し、見直し作業もしやすくしていきたいと思います。
3 別表4と別表5のつながり
別表4、別表5(1)と別表5(2)という別表は必ず作成が必要な書類で、この3者間の転記作業は多岐に渡るので、別表4、別表5(1)と別表5(2)のつながりを整理しておきましょう。
3-1 別表4と別表5(2)の関係
まずは別表4と別表5(2)のつながりを確認しましょう。
別表4と別表5(2)のつながりを図解すると次のようになります。
別表5(2)から別表4へ転記すべき値を表にすると次のようになります。
【転記先】別表4 【転記元】別表5(2) ❶ 損金経理をした法人税及び地方法人税(2) 5行目ー⑤列 ❷ 損金経理をした道府県民税及び市町村民税(3) 10行目ー⑤列の値 + 15行目ー⑤列の値 ❸ 損金経理をした附帯税及び過怠税(4) 24行目〜29行目の⑤列の値の合計 ❹ 納税充当金から支出した事業税等の金額(13) 19行目ー③の値 ❺ 法人税額から控除される所得税(29) 「その他」>「損金不算入のもの」(28)または(29)欄に「源泉所得税等」があった場合②列の値 ❻ 損金経理をした納税充当金(4) 「繰入額」>「損金経理をした納税充当金(31)」欄
3-2 別表4と別表5(1)の関係
別表5(1)の名称が「利益積立金額及び資本金等の額の計算に関する明細書」であるように、別表5(1)は利益積立金額を計算することが主な目的です。
別表4の②の列は当期発生した利益積立金額を計算する箇所となっていることからこの部分が別表5(1)とつながってきます。
したがって別表4の②列にある金額はすべて別表5(1)のどこかに反映されている必要があります。
別表4に予め記載されている行は自動的に別表5(1)に反映されるように構成されていますので、基本的には気を使うのは自分で別表4に追加した項目になります。
それと減価償却の償却超過額(6)と減価償却超過額の当期認容額(12)は自分で別表5(1)に追加する必要あります。
具体的に次の図で確認しましょう。
このように別表4の「減価償却の償却超過額」と「減価償却超過額の当期認容額」の金額を②列に記入したときと加算項目と減算項目の行に新たに項目を追加して②列に記入したときは、必ず別表5(1)に対応する項目を追加して別表4で加算項目となっている場合は増③の列にその金額を記載し、減算項目となっている場合は、減②の列に(又は増③の列に△(マイナスという意味)をつけて)その金額を記載します。
別表4で留保②の列に金額が入るのは、会社に金銭など何らかの形で資産として残っている場合です。
例えば、売上の計上が漏れていたというケースで次の2つのケースで考えてみましょう。
①相手勘定科目が売掛金だった場合
②すでに使ってしまって会社にない場合
①は売掛金として会社にあるので、留保②の列にその金額を書きます。
②はすでに消費されており、会社に資産として残っていないので社外流出③の列にその金額を書きます。
別表4と別表5のつながりを解説しました。
別表4と別表5(1)、別表4と別表5(2)はかなり有機的につながっているということが理解いただけたと思います。
今回図解で解説した部分を中心に別表4と別表5との間の転記が正しく行われているかを見直してもらいたいと思います。
ただ、これほどたくさん転記作業を行うとつながりを理解したとしても正しく転記されているか不安が払拭できないかもしれません。
実は、別の視点から別表4と別表5(1)のつながりが正しいものかどうかを検算する方法が公されていますので、その方法を最後に紹介したいと思います。
4 別表4のまとめ
いかがだったでしょうか。
別表4の役割と、別表4の書き方、そして検算方法を理解でき、初心者だった方も別表4マスターになれたのではないでしょうか。
別表4についてかなりのことが理解できたと思います。
ここで記事の内容を少し振り返ってみましょう。
⑴ 別表4は、企業会計に基づいて作成された決算書の利益から、法人税法の規定に基づいて加算や減算を加えて所得金額を算出するための書類でした。
⑵ 別表4には、それ単体では作成することができず、4STEPを踏んで作成するものでした。
⑶ 別表4を作成するには、他の別表やその他の関係書類の多くを作成済みにしておく必要がありました。
⑷ 別表4は⑶で用意した書類をパズルをはめこむように転記していく作業が中心でした。
⑸ 無料の申告書作成ソフトを使うと正確性を担保しつつ別表4が一瞬でできるのでこのような方法を活用する手もある。
⑹ 別表4の別表5のつながりを理解して転記もれがないかを確認できるようにしました。
⑺ 別表4と別表5(1)を検算することで、決算書と申告書の整合性を確認することもできました。
今回は、あえて中小企業に的を絞ることにより、シンプルな解説に徹することができました。
それによりかなり理解しやすかったと思います。
中小企業であれば、このような解説を読みながら申告書作成作業を行えば、法人税のことをよく知らなくても、十分自力申告が可能です。
そして効率的に進めることも可能です。
全力経理部の法人税の書き方の記事を読みながら、最短距離で自力申告をやり遂げてもらえると、たいへん嬉しく思います。1
クイックに理解する「別表5-1の検算」
クイックに理解する「法人税の別表5-1」の続編として、今回は検算についてまとめてみたいと思います。
まずは、別表5-1の申告用紙を見てみましょう。左側の欄外に「御注意」として検算について書かれています。
【御注意】
この表は、通常の場合には次の算式により検算ができます。 +期首利益積立金額合計「31」①
+ (別表4)留保所得・欠損金額「48」
ー 中間・確定未納法人税等合計額
= 差引翌期利益積立金額計「31」④
初めて法人税申告書を作成した際、「別表5-1が正しいかどうか検算したか」と問われ、戸惑ったという人も少なくないと思います。上記の計算式がこそがまさにその 別表5-1が正しいかどうかを確認する検算式になります。
税務申告ソフトでは自動で行ってくれますが、実際にハンドでも別表4と別表5-1のⅠは、上記の式を使って電卓で検算することが可能なのです。
別表4と別表5-1の金額の繋がり
実際に上記の計算式にそれぞれ指示された項目の金額を電卓に打ち込めば、金額の一致を確かめることができると思います。ただ、その検算式が何を意味しているのか、を理解しないと、気持ち悪さが残ると思いますので、まずはその仕組みからご説明したいと思います。これは別表4と別表5-1の関係性を説明することと同義になります。
以下が、 別表4と別表5-1 の関係性を示した図になります。先ほどご紹介した別表4と別表5-1にまたがっている検算式のイメージが沸くと思います。
先ほどご紹介した【御注意】の検算式をA~D(黄色でハイライト)で表記しています。別表5-1のⅠの一番下の行にある「合計」に記載される金額の加減算額、つまり上記の
A + E + F = D
の計算式と成立しますが、検算式ではこの計算式で登場する「E」「F」を用いず、別表4の「B」と別表5-1の未納法人税等の「C」を用いて 「D」 の金額と一致するか、を確かめています。
なぜ、このような計算式が成り立つのでしょうか?ここを説明していきたいと思います。
「B」は別表4の留保項目の合計額であり、留保所得(欠損)金額ですが、Bを構成する加減算項目、上記の図の①~⑤はすべて漏れなく別表5-1に転記されている、という税務上のゴールデンルールがあります。よって、「B」は①~⑤の形で別表5-1に反映されていると言えます。
今度は別表5-1の「E」と「F」に焦点を当ててみましょう。Eは別表4の②と⑤の合計額となっています。一方、「F」は別表4の①、③、④が含まれていますが、それだけでは不十分で、未納法人税等であるCを加えた金額となっています。
つまり、「B」を構成する要素はすべて取り込まれた上で、加えて「C」を足し込むことで「E」と「F」が構成されていることを意味します。
ロジックが分かると大したことがないとお分かりいただけると思います。E + F = B + C であるということから、【御注意】の検算式になっているということです。
別表5-1の検算サンプル
実際に申告書を使ったサンプルで、この検算式を確認してみましょう。
A + B – C = D の検算式にそれぞれの金額を当てはめると、
(A)95,753,952 + (B)53,349,100 - (C)14,034,300 = (D)135,068,752
になりました。
結局、別表4を絡めて別表5-1の差引合計額を左から右への計算をしているだけですが、これが侮ることなかれ、別表4から別表5-1への転記が正確にできていない、ないし転記漏れがある場合は、この検算式が合わず、エラーが検出される仕組みになっています。
ぜひ、今後別表5-1を作成した際は、ぜひこの検算式で別表5-1が漏れなく正確に作成されているかどうかを確認してみてください。
<参考文献>
国税庁HP 法人税申告書・地方法人税申告書の記載の手引
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/hojin/tebiki2016/01.htm
法人税申告書別表四と別表五(一)のⅠは検算できると聞きましたが・・・|お役立ちコラム|経理アウトソーシングのCSアカウンティング株式会社
会計では損益計算書と貸借対照表が連動しているように、税務上の損益計算書と貸借対照表である別表四と別表五(一)のⅠも連動していなくてはなりません。
別表五(一)のⅠに記載される税務上の利益積立金額は、法人が今までに留保してきた所得の累計額です。例えば、減価償却超過額(留保)の加算額は税務上の利益積立金額に影響を与えますが、交際費(社外流出)の加算額は税務上の利益積立金額に影響を与えません。つまり、別表四の「留保②」欄に記載される金額だけが、別表五(一)のⅠに連動します。
また、利益積立金額の計算上、当事業年度の所得の金額等を課税標準として納付すべき法人税等の金額を控除します。
以上のことから、下記の検算式が成り立ちます。
【A+B-C=D】
A) 別表五(一)のⅠ「①期首現在利益積立金額」の「31差引合計額」
B) 別表四「②留保」の「47所得金額又は欠損金額」
C) 別表五(一)のⅠ「③当期の増減・増」の「28.29.30未納法人税等」の中間・確定の合計
D) 別表五(一)のⅠ「④差引翌期首現在利益積立金額」の「31差引合計額」
<参考文献等>
国税庁HP 法人税申告書・地方法人税申告書の記載の手引
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/hojin/tebiki2016/01.htm
法人税申告書【別表4、別表5】
「法人税申告書別表4」と「税引後利益」、「税引前利益」
「法人税申告書の別表4」を作成する際には、計算のスタートが「当期利益又は当期損失」となっています。この「当期利益又は当期損失」は、「法人税等を控除する前の利益(税引前利益)」なのか?それとも「法人税等を控除した後の利益(税引後利益)」なのか?が、まず最初の問題となります。
この点、「法人税申告書の別表4」の「当期利益又は当期損失」に記載する金額は、「税引後利益」を記載しなければなりません。
ここで、初めて法人税申告書を作成する方は、
「法人税申告書の別表4」は、「課税所得を計算するための明細書」なのに、「課税所得や法人税等の金額が決まった後の金額(税引後利益)」を前提にして計算するのでは、計算ができないんじゃないか!と思われると思います。
この疑問に以下で答えたいと思います。
「法人税申告書の別表4」の性格
「法人税申告書の別表4」は、確かに「課税所得の金額を計算する明細書」ではありますが、これは、「作成者から見た課税所得金額の計算書」ではなく、あくまで全ての計算が終わった後に「税務署が課税所得が正しく計算されていることを確認するための明細書」である性格が強いのです。(※)
上記のように、課税所得の計算が正しく計算されているかどうかを確認する側(税務署側)にとっては、会社が作成した「損益計算書」と「法人税申告書別表4」とが、繋がっていることが、一見して確認できることが大切になります。
このため、「損益計算書の一番最終の利益(=税引後利益)」と「法人税申告書の別表4のスタートの利益」との一致を要求しているのです。(※)
(※)税務署からすると課税所得は、「税引後利益」からスタートするものだと考えています。
この立場に立つと、損益計算書で計上される「法人税、住民税及び事業税」は、損金不算入項目なので、別表4での加算が必要となる!と考えています。
⇒ただ、作成者からは、法人税等計算前に課税所得の計算が必要なので、課税所得計算のスタートは、税引前利益だ!と考えていたらいいと思います。
課税所得計算の方法
「法人税申告書別表4」が「税引後利益」をスタートとしているために、作成者側では、課税所得を計算する際に、「法人税申告書別表4」を利用できないのでしょうか?
通常の税理士事務所や法人税申告書を作成する経理担当者の方は、どのように課税所得を計算しているのでしょうか?
答えは簡単です、「法人税申告書の別表4」を完全に作成する前の段階で、
「税引前利益」をスタートにして、課税所得を計算しているのです。
この「法人税申告書の別表4」を完全に作成する前の段階とはどのような段階かといいますと、
・「法人税申告書の別表4」の加算項目である「損金の額に算入した納税充当金※」(=損益計算書の法人税等の金額)を空欄にしたままの状態です。
・すなわち、上記の項目は空欄にして、それ以外の加算項目、減算項目をすべて記入した状態で、「当期利益又は当期欠損の額」に「税引前利益」を入れると、課税所得がきちんと計算できるのです。
・なぜなら課税所得の計算は
「損益計算書の税引前利益」に加算項目、減算項目を加減算して計算されるものだからです。
※ちなみに「法人税申告書の別表4」の加算項目となる「損金の額に算入した納税充当金」は、他の加減算項目とは少し性格の違う加算項目なのです。
この項目は、「法人税申告書別表4」をわざわざ「税引後利益」をスタートとしたことから、それを「税引前利益」に置き換えるために加算項目に計上された項目としての性格を持っています。
「 課税所得計算」及び「法人税申告書別表4」の作成
「課税所得計算」及び「法人税申告書別表4」の作成は以下の手順で行います。
Ⅰ.課税所得計算
1、「損金の額に算入した納税充当金」以外の「加算項目」及び「減算項目」を別表4に記載又は入力する。
2、「当期利益又は当期損失」に「税引前利益」を記載又は入力して、法人税申告書作成ソフト等により「当期課税所得」を計算する。
Ⅱ.「法人税申告書別表4」の作成
1、上記で計算した「当期課税所得」により、法人税等の金額を計算する。
2、損益計算書に「法人税等」を記載又は入力することにより、「税引後利益」を計算する。
3、「法人税申告書別表4」の
・「当期利益又は当期損失」に「税引後利益」を記載又は入力する。
・「損金の額に算入した納税充当金」に損益計算書の法人税等の金額を記載又は入力する。
「課税所得計算の例示」&「法人税申告書別表4の作成例示」
【例示】
税引前当期利益:10,100,000円
加算合計 :500,000円
減算合計 :600,000円
①課税所得計算
税引前利益 :10,100,000円
加算合計 :+500,000円
減算合計 :△600,000円
課税所得 10,000,000円
②法人税計算前の別表4
・当期利益:10,100,000円を記載します。
・これ以外には加算金額に500,000円、減算金額に600,000円が入っています。
・課税所得10,000,000円となりますので、これで税額を計算します。
③法人税等の金額の計算
課税所得10,000,000円で法人税の計算を行います。
その結果は、以下のようになります。
法人税 :1,881,000円
住民税 : 365,800円
事業税 : 676,900円
法人税等: 2,923,700円
④損益計算書の記載
税引前当期純利益 :10,100,000円
法人税等 : 2,923,700円
税引後利益 :7,176,300円
④別表4への記載
・「当期利益又は当期損失」を7,176,300円とします。
・「損金の額に算入した納税充当金」を2,923,700円とします。
⇒「税引後当期純利益」7,176,300円と「損金の額に算入した納税充当金」2,923,700円を合計すると「税引前利益」10,100,000円になっています。
・課税所得の金額は、10,000,000円で変化しません。
別表5(2)記載の基本
・
別表5(2)を法人税申告書ソフトで作成する場合
上記の別表5(2)の基本を踏まえるは必要であるが、以下の考え方が必要。
1、課税所得計算(別表4)が適切に作成され、それが後から見て確認できること。
2、発想を転換する。
・納付、還付の事実がそもそも損金算入となるのか、損金不算入となるのかの確認
・法人税申告書ソフトの別表5(2)から別表4への転記のパターンを認識する。
多くの税務申告書ソフトでは、税金(租税)の納付、還付については、別表5(2)での記入結果が別表4に転記されるために、別表5(2)に入力した結果が、別表4でどのように転記されており、課税所得を増減させるのか否かの把握が必要となる。
会計事務所の交代や税務申告書担当者の交代
会計事務所の変更や前任担当者の会計帳簿への記帳方法により、当期の記帳方法が変化(影響を受けるものではありません。)することはありません。
会計事務所の変更や申告書記載担当者の変更があった場合でも、税務上の申告は、あくまで、前期の申告結果を受け継いで行ってください。
例えば、当期の会計帳簿の貸借対照表の期首残高と前期の申告書がずれている場合には、迷わず当期の貸借対照表の期首残高を変更すべきです。
過年度での申告書記載と会計帳簿の記載が異なっている場合には、
・原則として、修正申告が必要となるものです。
(修正申告するか否かは、会社が決める問題です。)
・修正申告をしない場合であっても、貸借対照表の期首残高を修正しない場合には、このズレを当期も引き継ぐことになるため、当期の税務申告書も誤った結果を引き継ぐことになってしまいます。
このような場合には、迷わず、前期の税務申告書の記載に合うように期首貸借対照表を修正し、その差額を課税所得計算に反映させておくことが必要となります。
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法人税申告書 別表4 サンプルイメージ
別表四の記載はすべて「税理士いらず」におまかせです。 別表四を確認する段階で、当期利益から所得金額を算出するための 申告調整は、「税理士いらず」の内部計算により完了済みです。 申告調整の加算項目は、損金に算入した法人税、住民税、事業税、 交際費の損金不算入、寄附金の損金不算入に対応しています。 申告調整の減算項目は、当期中に納付した前期事業税、および当期中に 納付した当期事業税の中間納付の損金算入、青色申告の場合の 繰越欠損金の当期控除に対応しています。 別表四を確認した段階で、別表五(一)との整合性を検算します。 平成22年度版からは、「税理士いらず」が作成した別表四を 申告調整処理でマニュアル補正できる機能が追加されました。 関連情報: 税理士いらずの対象法人 -> 複雑な申告調整がない 22年度版リリース案内 -> 申告調整項目のマニュアル補正機能 オンラインヘルプ -> 3−6−2 決算処理 よくある質問 -> 繰越欠損金には対応していますか? よくある質問 -> 申告調整として対応している項目は? よくある質問 -> 別表四(簡易様式)の記述詳細の説明 ダウンロード: 30日間無料体験版のダウンロード サンプルデータのダウンロード デモンストレーション動画ファイルのダウンロード
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